Lesson4では「食物アレルギー」全般に関して、その発症経路や症状の分類、
予防などのテーマを中心として学習してきました。
今回から始まるLesson5では、「子どもと食物アレルギー」という特定のテーマについて、
より知識を深めていきたいと思います。
今回のLesson5-1では、「赤ちゃんのアレルギー」について正しい知識を身につけることを目的としています。
「離乳食」に注意

アトピー性の皮膚炎を発症している赤ちゃんは、何を離乳食に含めるべきか、
いつ離乳食を始めるべきかなど医師への適切な相談が必要です。
特に皮膚炎がひどい時には、鶏卵、小麦、大豆など赤ちゃんが反応しやすいアレルゲンを
離乳食から外すように心がけましょう。
赤ちゃんは言葉でうまく症状を伝えることができないのですが、
慢性的に下痢が続いたり湿疹が治らなかったりなどがアレルギー症状のサインです。
まだまだ消化器官が未熟な赤ちゃんはこのように下痢などをしてしまうことも少なくないため、
サインを見逃さないようにしましょう。
アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係

本講座では何度か話題にしていますが、アトピー性皮膚炎を発症している赤ちゃんは
同時に食物アレルギーを発症する可能性も高くなっています。
その発症率は概ね50~70%となっており、痒みで皮膚をかきむしりそこからアレルゲンが侵入する、
というメカニズムのもとIgE抗体が作られやすくなってしまうのです。
最初はアレルギーになりにくい食べ物からはじめよう!

アレルギーになりにくい食べ物の例としては、
お米(おかゆ)やさつまいも、大根などの根菜、他にもにんじんやかぼちゃなどが挙げられます。
食物繊維も含まれており消化を促すこれらの食材は、ポタージュ状にして少しずつ摂取すると良いでしょう。
授乳中の母親が食事に気を使う必要はある?

結論から言えば、母乳に含まれる物質がアレルギー反応と関係していることは少なく、
そこまで気を使う必要はないでしょう。
母乳中のアレルゲン検査で除去が必要になる場合もありますが、比較的短期間ですむ場合が多いです。
過度な制限はやめ、授乳中はバランスの取れた食事を心がけるようにしましょう。
さて、続いてのページでは牛乳や母乳を飲んだ後に発症する
「新生児・乳児消化管アレルギー」について学びます。
このアレルギーは生後すぐに発症することもあるため、正しい知識を身につけましょう。