Lesson5-2 新生児・乳児消化管アレルギー

新生児はまだまだ消化器官が未熟であり、アレルギー反応を起こしやすい体質です。

この新生児・乳児消化管アレルギーは「生まれてからすぐに発症する」アレルギーで、
ミルクがアレルゲンとなるため、まだミルクしか口にできない赤ちゃんにとっては辛い症状の一つです。

新生児・乳児消化管アレルギーとは?

新生児・乳児消化管アレルギーは、ミルクや母乳を飲んだ後に発症するアレルギーです。

主に嘔吐や下痢、血便などの消化管症状が発生します。

驚くべきことに、赤ちゃんの生まれたその日から発症することもあります。

現在知られているアレルギー疾患の中では最も発症時期が早いとされています。

消化管アレルギーの原因は何?

原因食品は主に、牛乳を原料とする乳児用ミルクです。
このミルクに含まれる「牛乳蛋白」と呼ばれるタンパク質が、症状の原因となることが多数です。

しかし、ミルクだけではなく、母乳でも同様の症状が出る赤ちゃんも全体の15%程度います。

消化管アレルギーの治療法は?

基本的には原因となっている食品を除去することが求められますが、

ミルクが栄養源となっている赤ちゃんは、ミルクそのものを飲まないということはできません。

そこで、治療には代替品としてアレルギーを引き起こす「牛乳蛋白」を含まない治療用のミルクを使用します。

この治療用ミルクは、牛乳のたんぱく質を、加水分解で細かく分解したもので、
栄養分こそ少し劣りますが、低アレルギー化します。

エレメンタル・フォーミュラ

他にも「エレメンタル・フォーミュラ」と呼ばれるミルクがあり、
その全てがアミノ酸で調整されており、牛乳たんぱく質を全く含まないものもあります。

明治が販売しているエレメンタル・フォーミュラは
「母乳代替食品、ミルクアレルゲン除去食品、無乳糖食品」と謳われており、
成分も20種類を超えるアミノ酸が記載されています。

これらのように、ミルクアレルギーの赤ちゃんに対しても十分な代替品が用意されている現代社会。
うまく活用しながら、アレルギーと共存していくことが可能です。

続いてのページでは、「食物アレルギーの診断手順」の方法について見ていきましょう。