Lesson6-4 花粉症との関連もある「口腔アレルギー症候群(OAS)」

大人の食物アレルギー症状の中には、「他のアレルゲンに似ている物質を、体がアレルゲンと勘違いし起こるアレルギー反応」も存在しています。

今回のページでは、そのようなタイプのアレルギー反応の一つ
「口腔アレルギー症候群」について学習していきたいと思います。

口腔アレルギー症候群(OAS)とは?

別名「Oral Allergy Syndrome(=OAS)」と呼ばれる口腔アレルギー症候群。

原因となる食物を食べると、短い時間で症状が発生します。

症状は口の中が痒くなったり、喉がイガイガするなどそこまで重いものではないのですが、
非常に短い時間で症状が発生します。

多くは食後しばらくすると時間の経過とともに回復するのですが、
中にはアナフィラキシーを伴うものもあります。

原因となる物質は、りんごや桃、スイカと言ったフルーツや生野菜である場合がほとんどです。

そして、驚くべきことにこのアレルギーは
「花粉症」と強いつながりがあることが判明しているのです。

口腔アレルギー症候群と花粉症との関係

花粉症のアレルゲンとなっているシラカバやイネなどの構造は、
果物の構造と非常に似ています。

例えばシラカバ花粉はリンゴや桃と構造が似ているため、シラカバ花粉症の人は
りんごを食べた時に体がアレルゲンだと勘違いをしてしまい
アレルギー症状が発生します。

同様にイネ科の花粉症を持つ人は、構造が似ているウリ科のメロンやスイカなどで
アレルギー症状を起こしてしまいます。

なぜ口腔だけで反応が起きるのか?

原因となるアレルゲンは、生体防御として誘導されるタンパク質であり、
消化器官を通っていく中ですぐに壊れてしまいます。

そのため、分解がされていない口腔部だけでアレルギー反応が起こり、
症状も口の中と喉だけに完結
するのです。


さて、続いてのページでは食物アレルギーと間違えられやすい症状
について見ていきましょう。