Lesson6-5 食物アレルギーと間違えられやすい症状

一般的に、食物アレルギーと似たような症状が引き起こされていても、
それが一概に食物アレルギーであると断定することはできません。

食物アレルギーではなく、別の原因で反応が起きている場合は
その食物以外でも似たような反応が起きてしまう可能性があるため、正確に把握したいものです。

今回のページでは、食物アレルギーと間違えられやすい
有名な2つの症状について原理をみていきたいと思います。

その1:乳糖不耐症

日本人に特に多いとされるこの乳糖不耐症。

これは、牛乳などに含まれる乳糖を分解する酵素が
人によって多かったり少なかったりすることに起因しています。

胃腸炎などの病気の後に一時的に酵素バランスが不安定になり、
そこで発症してしまう
こともあります。

症状としては下痢などの消化器症状が起こるというもので、
子供の粉ミルクから大人の牛乳まで様々なシーンで起こる可能性がある症状です。

この症状はそこまで命の危険に関わるような重篤なものには
ならないとされています。

その2:ヒスタミン中毒

これまでも少し触れていますが、サバに含まれるヒスタミンも
食物アレルギーと勘違いを起こしやすいものの一つになっています。

日にちがたったり輸送などで鮮度の落ちたサバを食べたあとに、
食物アレルギーでよくみられるじんましんなどの皮膚症状や
嘔吐などの消化器症状をおこすことがありますが、
一般的には食物アレルギーではなくヒスタミン中毒によるものであることが多いとされています。

サバだけでなく、マグロやカツオなどにも多いヒスタミン。

このヒスタミンは、「ヒスチジン」というアミノ酸をもとにして作られており、
そのヒスチジンから長期間の保存などの期間経過
でヒスタミンという物質が生成されてしまうのです。

Lesson6 まとめ

以上、Lesson6では大人の食物アレルギーについて解説していきました。
内容をまとめて確認しましょう。

大人は子どもとは反応するアレルゲンが異なります。
甲殻類に反応したり、花粉症と相関性のあるアレルゲンに反応してしまうこともあります。

腸内バランスの乱れによって起こる「腸もれ」は、アレルゲンとして感知されていなかったものでも
体がアレルゲンとして認識されてしまう可能性がある
ため、
腸内環境を整えることはアレルギー対策と直結します。

遅延型フードアレルギーは、アレルゲンを摂取してから数時間以上経った後に発症するアレルギーです。
原因となる物質が何だったのかがわかりにくいため、正確な記憶が大切です。

次のページから始まるLesson7では、
花粉やハウスダストなどで起こるその他のアレルギーについて
見ていきたいと思います。