Lesson1-3 食物性アレルギー

このページからは、3種類に分類されるアレルギーのそれぞれについて説明します。

今回のページのテーマは「食物性アレルギー」です。

食物性アレルギーの代表的なアレルゲン

食物性アレルギーでは、最も多い鶏卵をはじめとして小麦や牛乳、甲殻類などが主なアレルゲンとなります。

食物アレルゲン第1位は鶏卵
卵白がアレルゲンとなることが多く、加熱によって摂取できるかどうかの
「加熱診断」を行うことでどの程度まで摂取できるかが決まります。

第2位は牛乳。
少しの摂取でもアナフィラキシーショックに繋がるため注視されています。

そのほかにも原因となるアレルゲンはありますが、ここでは割愛させていただき、
主にどのような症状があるのか見ていきましょう。

食物アレルギーの症状

食物アレルギーでは、皮膚が赤く腫れたり、
じんましんが発現したりなどの「皮膚症状」が最も多く見られます。

皮膚症状は食物アレルギー固有の症状ではなく、
気管支喘息などの症状でも見られます。

食物の加工の仕方や摂取した量、その時の体調によって症状の重症度は変化するため
予測が難しいアレルギーです。

<食物アレルギーの種類>

・即時型:一番よく見られる一般的なアレルギーで、反応の種類や強弱も幅が広い。
 小児は卵や小麦、牛乳が原因となり、成人はこれらに加えて甲殻類や果物が原因となる。

・乳児アトピー性皮膚炎:乳児の湿疹が悪化する症状。
 卵や小麦、牛乳が原因。

・新生児・乳児消化管アレルギー:生後数日以降に血便や下痢、
 嘔吐などが発現する症状。牛乳が原因。

・特殊型:口腔アレルギー症候群
口の中が痒くなったり、喉がイガイガする。果物や野菜が原因となることが多い。

・特殊型:食物依存性運動誘発アナフィラキシー
原因となる食物を食べた直後に運動した時のみ強いアナフィラキシーが出現。
小麦や甲殻類が主な原因。

食物アレルギーの治療

現時点では、薬物治療で食物アレルギーを
完全に治すことはできないと言われています。

ただし、食物アレルギーは年月の経過とともに治癒する傾向があります。

また、原因となる食物を加熱すると症状が起こりにくくなるため、
アレルギー物質を除去しなくても反応を避ける
ことができます。

除去には、わずかでも原因物質が含まれている場合に、その食物全てを除去する「完全除去」と、
食物そのものは除去し、加工品などは摂取する「部分除去」があります。

もちろん、アレルゲンが含まれていないと誤認識し、
大量の誤食でアナフィラキシーを起こす可能性もあるため、摂取には十分気をつけましょう。

食物アレルギーが起きた際、受診の目安は?

なかなか皮膚症状が治らない場合や、繰り返しアナフィラキシーを起こしてしまっている場合、
原因を特定するためにアレルギー専門の医療機関で受診することが必要です。

アレルギーを正確に診断し、除去療法などの適切な治療法を進めるためにも、
原因不明のアレルギー症状が出た場合にはすぐに受診を行いましょう。

場合によっては、複数の食べ物の除去が必要になる場合もあります。

今回のページでは食物アレルギーを解説しましたが、
続いてのLesson1-4では、花粉症や喘息などの「吸入性アレルギー」アレルゲンや症状、治療法などについて説明します。