食物アレルギーは原因となる物質を避けて通ることができますが、
花粉などの「完全に避けることが難しい」アレルギーは吸入性アレルギーと呼ばれています。
今回のページでは、そんな花粉症や喘息などの「吸入性アレルギー」について学んでいきましょう。
吸入性アレルギーの代表的なアレルゲン

空中を漂って体内に侵入するタイプのアレルゲンが、吸入性アレルギーを引き起こします。
スギやヒノキに代表される花粉、ダニ、ハウスダストなどが
代表的なアレルゲンとなります。
なお「ハウスダスト」とは、フケや髪の毛、ゴミなどが
複合的に混ざったホコリのことですね。
代表的な「花粉症」「喘息」の症状が、
吸入性アレルギーを理解する上では大切な要素になります。
それでは、吸入性アレルギーの症状はどのようなものなのでしょうか?
吸入性アレルギーの症状

吸入性アレルギーは、呼吸器系においては、気管支に炎症が起きて腫れ、
空気の通り道が狭くなることで呼吸がしづらくなる「喘息」や、
鼻や目などの粘膜に張り付いてアレルギー反応を起こし
充血や鼻水などを引き起こす「花粉症」が代表的な例として挙げられます。
喘息患者は、発作がなく苦しくない状態の時でも、日常的に気管支が腫れています。
炎症が強い時だけ発作が現れますが、そうでない時も腫れているのが喘息の本質なのです。
花粉-食物アレルギー症候群とは?

吸入性アレルギーの代表的な症状「花粉症」ですが、
花粉症にかかっている方が注意しなければならないのは吸入性アレルゲンだけではありません。
花粉の抗原と果物などに含まれる抗原が反応することで、口の中が痒くなる
「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS、口腔アレルギー症候群・OASの一種)」と呼ばれるアレルギー反応もあるのです。
具体的には、スイカや桃、セロリやニンジンなどの野菜や果物がアレルゲンに当たります。
まれにアナフィラキシーを起こす事もあるため、これには注意が必要です。
吸入性アレルギーの治療

喘息における薬物療法では、吸入ステロイドなどの「長期管理薬」と
気管支をすぐに広げる「発作治療薬」の2種類が服用されます。
長期管理薬が気道の状態を良好にコントロールするのに対して
発作治療薬は短期的に発作を止めるために使用されます。
花粉症においては、抗アレルギー薬や点眼薬を用いて症状を緩和させることが一般的です。
しかし、薬物療法はあくまでも「対症療法」に過ぎないため
他のアレルギーと同様に、本来は免疫力を強くするなどの根本的な解決が望ましいとされています。
続いてのLesson1-5では、金属などの
「接触性アレルギー」アレルゲンやその症状、治療法について見ていきましょう。