花粉症に悩まされる人は非常に多く、その治療には近年非常に注目が集まっています。
新しく発見された治療法も存在しますが、日常で行う治療としては
その治療方法は大きく「対症療法」と「根治療法」に分別されます。
薬物治療の「対症療法」

花粉症の薬物療法は、基本的には花粉が飛散する時期に抗ヒスタミン薬の投与を行うことが一般的です。
加えて点眼薬や点鼻薬を用い、表面的な症状も抑えていきます。
副作用の少ないステロイド薬は効果が高いですが、
使いすぎると鼻の血管が傷ついてしまう恐れもあるので注意が必要です。
とは言え、何より重要な対策はアレルゲンである花粉とどれだけ距離を置いて生活できるかでしょう。
洗濯物を外に干してしまうと花粉が大量に付着する恐れがあるので、
なるべく室内に干すなどの工夫も大切になってきます。
薄くした花粉液を注入!根治療法

薬を使った療法は根本的な治療ではありません。
吸入や撒布を続けている間は効果があるものの、投薬をやめてしまうと一気に症状が悪化するなど、
根本的な解決は免疫を強化することによって現れます。
そこで、少しずつ体を花粉に慣れさせるという治療法も存在しています。
花粉の濃度を薄くしたものを体内に注射して、少しずつ「慣れさせる」ことを目的としたこの治療法は、減感作療法とも呼ばれています。
新しい免疫療法「舌下免疫療法」

花粉症には、注射や点滴だけではなく、
直接花粉のエキスを飲んでしまうという治療法も存在しています。
この「舌下免疫療法」とは、花粉のエキスを舌下に2分ほど含みながら
飲み込むという非常に直接的なものです。
治療が可能なのは5歳以上(※)に限られていますが、効果は大きく、
アナフィラキシーショックにもなりにくいなど、メリットが多いとされています。
(※2018年より年齢制限緩和。それより前の資料では12歳以上と記載されている場合があります)
将来的には免疫療法なども期待できる花粉症の領域ですが、
現在の主な治療法としては、上記にあげた種類が活用されています。
さて、続いてのページでは、同じく気管支に症状が現れる辛い病気「喘息」について見ていきましょう。