Lesson7-4 喘息の治療

喘息は、短時間の発作で気道が急激に狭まり、時として生命の危機に瀕する可能性のある病気です。

そのため薬物治療が基本となるのですが、
治療薬には長期的・段階的に治療を行うために使用する「長期管理薬」と、
発作が起きた時に短期的に症状を抑えるための「発作治療薬」の2種類があります。

それぞれの役割や代表的な薬などを解説していきます。

喘息の治療薬「長期管理薬(コントローラー)」

長期管理薬はコントローラーとも呼ばれ、気道の炎症を抑えたり、
気管支を拡げたりして呼吸を楽にしたりする役割を持っています。
治療の基本となる薬です。

長期管理薬の例

・吸入ステロイド薬(ICS)

最もよく使われるステロイドです。

炎症を抑える強い効果があるため、段階に応じてその吸入量を増加させていきます。

・長時間作用性β2刺激薬(LABA)

交感神経を刺激し、気管支を拡げて呼吸を楽にする薬です。ステロイドと一緒に使用します。

喘息の治療薬「発作治療薬(リリーバー)」

発作治療薬はリリーバーとも呼ばれ、短期的に症状を鎮めるために必要とされる薬です。

長期管理薬よりも素早く効果が現れ、気道を広げる効果があります。

発作治療薬の例

・短期間作用型β2刺激薬(SABA)

LABAと同様に気管支を広げる役割をもちますが、即効性のある刺激薬となっています。

喘息の治療4ステップ

喘息の治療は、4つのステップに分かれています。

これは日本アレルギー学会が定めたガイドラインにより区分されており、
吸入ステロイド(ICS)の使用量やその他の薬品をどの程度使うべきか、の目安になっています。

ステップ1では、低用量のICSを使用します。もしICSが使用できない場合は、
LTRAやテオフィリンといった薬品を使用します。

ステップ2では、低用量〜中用量のICSを使用します。
もしICSが不十分な場合には、加えてLABA、LAMA、LTRA、テオフィリンのうちから1錠を服用します。

ステップ3では、中用量〜高用量のICSを使用します。
加えて、LABA、LAMA、LTRA、テオフィリンのうちから1錠あるいは2錠を服用します。

ステップ4では、高用量のICSを使用します。
加えて、ステップ3までに服用可能であった薬剤や抗IgE抗体などの複数を服用します。

このように、各ステップで治療に使用する薬剤を増やしていくことが喘息を治療するためには必要なのです。

各ステップで治療薬の使用量などを間違えてしまうとかえって気道に悪影響となることもありますので、きちんと医師の指示に従って服用することを心がけましょう。

さて、続いてのページでは、気道を傷つけてしまう原因となっている「カビやダニ」を減らすため、
家庭でできるカビやダニの対策を見ていきましょう。