Lesson9では、緊急時にどのような対応をするべきか、命を守る大切なことについて学習しましょう。
まずは、「緊急性の高い状況」とはどのような状況なのかの判断基準から解説します。
緊急性が高いかどうかの判断指標

以下の症状が発生しているときには、緊急性が高いと判断できます。
複数この症状が同時に現れている場合には、直ちに医療機関への受診を行いましょう。
【全身の症状】

- 意識が朦朧としておりまっすぐ歩けない
- 脈拍が不規則である
- 顔色や手先が青白くなっている
見た目でわかる症状として、このような状況に陥ってしまった場合には
「他に呼吸器症状や消化器症状が起きていないか」を入念にチェックしましょう。
見た目が青白い時に、体が正常であるとは到底思えないものです。
【呼吸器に関する症状】

- 呼吸が困難である
- 強い咳を繰り返している
- 声がかすれている
以上のような呼吸器の症状は、酸欠や意識の消失に直結します。
また、パニックになってしまい症状が起きている(実際には呼吸器に症状は起きていないが、気が動転して呼吸が乱れている)ケースもありますので、安静にして冷静な状況判断を心がけましょう。
【消化器の症状】

- 嘔吐を繰り返している
- 非常に強い腹痛
消化器の症状は、体力を大きく奪ってしまう要因になります。
特に嘔吐は呼吸器への影響もあり、ショックが治ってもしばらく食道が傷ついたまま
などの後遺症が残ってしまう可能性があり、また嘔吐物が喉に詰まってしまう事もあるため、
仰向けなどの危ない姿勢は避け、できるだけ椅子に座った状態で救急車を待つようにしましょう。
緊急性が高い場合の対応

上述の症状が発生している場合には、
エピペン(アドレナリン注射)を使用する方法が症状の改善に効果的です。
エピペンとは、アドレナリンを主成分とする注射で、
アドレナリンには免疫細胞から放出されるヒスタミンなどを抑える働きがあります。
日本では、アナフィラキシー症状を起こしてしまう場合には常に本人が携帯できるよう、
医師に処方してもらえるようになっています。
エピペンを注射した後も
・救急車を呼ぶ
・姿勢を変えずに安静に待つ
などの対応が必要です。
救急車を呼んで待っている間は、血圧が低下している可能性があるため
脳への血液循環が妨げられないように、体を仰向けにして足を30cmほど高くするように心がけましょう。
その際、嘔吐に気をつけて気道がつまらないように気をつけてください。
エピペンの使用方法については、続いてのページでしっかりと確認していきたいと思います。