前回のLessonでも少し触れた、緊急時の対応薬「エピペン」ですが、
今回はその使い方について具体的に見ていきたいと思います。
「エピペン」という名前を初めて聞く方も少なくないと思いますので、
まずはエピペンとは一体何なのかという部分から解説していきます。
アナフィラキシー即効薬「エピペン」とは一体何?

アナフィラキシーを起こした際、
「すぐに症状を治めないと救急車を待つ間も無く命の危険がある」
というケースは少なくありません。
そこで、アナフィラキシーの危険のある患者は、
「エピペン」という注射のような薬を持ち歩いています。
エピペンとは、一言で言ってしまえば「アドレナリン自己注射薬」です。
アナフィラキシーを起こしている臓器は、
アレルゲンに感作された免疫細胞から放出されるヒスタミンなどの炎症物質に刺激されています。
アドレナリンにはそんな免疫細胞からの炎症物質の放出を抑える役割があるため、
自己注射を行うことで即時にアレルギー反応を和らげることができます。
もちろん、エピペンだけで症状の全てを治療するのではなく、
あくまでも医師の治療を受けるまでの間に症状が悪化しないように一時的に緩和させるものと捉えてください。
それでは、続いてエピペンの「使い方」を見ていきましょう。
エピペンの使い方は?

エピペンは、緊急時でも誰もが使いやすいような設計になっています。
感覚的にもボールペンのように使いやすく、老若男女を選ばずに使うことができます。
<エピペンの使い方>
1.エピペンをケースから取り出し、オレンジ色のカバー(針を覆っているカバー)を下に向けます。
2.太腿の外側にオレンジ色の部分を当て、カチッと音がするまで強く押してそのまま5秒数えます。
2.その後、打った部位を10秒間マッサージする。
この手順を踏むと、アドレナリンを体内に注射することができます。
そんなエピペンですが、使用する際や保存する際の注意事項もあります。
エピペン使用時の注意事項

エピペンに関する注意事項を、使用時と保存時に分けてまとめてみました。
<エピペン使用時の注意事項>
・カチッと音がするまで強く押さないと、アドレナリンが体外へ漏れ出してしまう可能性があります。
・エピペンを打った箇所をマッサージすることで、体へアドレナリンが広まるスピードを早めることができます。
<エピペン保存時の注意事項>
・注意事項として、本体は分解しないようにしてください。
・誤注射の危険性があるため、カバンの上の方に置いておくようにしましょう。
・急激な温度の変化が起こりにくいような場所に保管してください。
・30度を超える気温で保存を行った場合は効能が低下する恐れがありますので注意しましょう。
続いてのページでは、緊急時に学校などの施設で誰がどのように立ち回り、
対応を行うべきかの役割について確認していきましょう。