コラム:ストレスとアレルギーの関連性

アレルギーは体の反応であることは間違いありませんが、
心の状態と発症の関係は切っても切り離すことができません。

アレルゲンに対する「誤作動」が癖になってしまう事もありますので、
ここではアレルギーとメンタルケアについて学びましょう。

心理的ストレスはアレルギー反応の原因?

「仕事が忙しくて大変・・・」「家庭でのトラブルで落ち着ける場所がない・・・」など、
現代人に悩みはつきものです。

そんな心理的なストレスを抱えていると、アレルギー反応も起こりやすくなってしまいます。

それに加えて、脳が条件反射として
「ストレスで弱っている体がアレルゲンに反応してしまった事実」を覚えしまうと、
どんどんとストレスによって症状が引き起こされる「センシティブな状態」
になってしまうのです。

ストレスが免疫を弱めてしまう仕組み

精神的なストレスは、中枢神経系の「μ−オピオイド受容体(MOR)」
と呼ばれる受容体を刺激
します。

これにより、「ストレスホルモン」と呼ばれる成分が遊離し、
細胞性の免疫から液性の免疫を活発にします。

結果として免疫の性質が変わり、通常は反応しないアレルゲンに対しても
アレルギー反応が起きてしまうようになることがあります。

「心理的ストレス」ってどんなストレス?

心理的ストレスとは、身の回りに起きた「刺激」と「変化」によって心が緊張している状態を指しています。

また最近の研究では「心理的なストレスがアトピー性皮膚炎を引き起こす理由」も解明されつつあり、免疫システムや自律神経がストレスによって壊れ、皮膚の痒みが大きくなってしまう事で
皮膚炎を引き起こす、と言ったメカニズムも見え始めています。

アトピーとアレルギーの関係はこれまでのLessonでも触れているのでここで説明はしませんが、
ストレスから皮膚のバリア機能が低下し、アレルゲンへの反応が過敏になってしまうことが原因にあります。

災害時には逆にアレルギー反応が出にくい?

人間は、非常に多くのストレスを感じると逆にアレルギー反応が起きなくなるという不思議な現象があります。

震災などの災害時、避難所生活を余儀なくされている方の中には、
普段はアレルギー反応が起きてしまうのにその間だけ反応が収まっている、などの事例も見られています。

これは、過度なストレスを感じるあまり、
反対にアレルゲンを攻撃しなくなっている状態に陥っているからだと言えるでしょう。

だからと言って、災害時でも油断は大敵です。
もし万が一症状が現れたら、医療面でのサポートが万全ではない可能性があります。
できる限り災害時でもアレルギー症状を抑えられるように、事前の準備や対策をしっかりと行っておきましょう。