Lesson5-5 乳幼児食物アレルギーの対策

乳幼児が食物アレルギーになりやすいことは事実ですが、どうしてそのようなことが起きるのでしょうか。
また、それを防ぐ対策はあるのでしょうか。

今回のページでは、これらの内容について触れていきたいと思います。

乳幼児期に食物アレルギーになりやすい理由

乳児期はとくに、食物アレルギーを起こす食物特異IgE抗体を作り易い性質があります。

それだけではなく、食物アレルギーを防ぐ分泌型IgAが少なく、
消化能力も弱い
ためにアレルギー症状が引き起こされやすくなっています。

加齢と共にこの抗体は低下していくので、アレルギー症状が緩和されていくのです。

乳幼児食物アレルギーの対策ポイント

上記を踏まえた対策法のポイントは、1歳までは特異食物IgE抗体の高い症例では、
完全除去が基本となります。

しかしながら一方で、1歳を過ぎたあたりから食物抗原の診断のために最重要である経口負荷試験を実施し、耐性を獲得してくことが必要になります。

年齢によって試験の実施頻度は異なりますが、
3歳ごろまでは1年に2回、小学校へと上がる年齢の6歳ごろまでには1年に1回の検査が必要になります。

この頃は耐性をつけることが重視されていくため、除去食は必要最低限度にとどめましょう。

Lesson5 まとめ

以上、子どものアレルギーについて独特な症状や発見方法などについて学びましたが、
要点をもう一度まとめてみましょう。

熟練した医師でも診断が非常に難しいと言われる子どもの食物アレルギー。

また、皮膚の荒れ具合と食物アレルギーには密接な関係があり、
アトピー性皮膚炎を発症している子どもは、皮膚のバリア機能が低下するため、
50%~70%という非常に高い確率で食物アレルギーを発症してしまいます。

また、消化管の発達がまだまだ未熟である子どもは、
乳児消化管アレルギーというミルクが原因で発症してしまうアレルギーのリスクも持ち合わせています。

ただし、現代ではエレメンタルフォーミュラなどの代替ミルクがあります。

食物アレルギーを発症した際には、何をどのくらい食べたか、
どのくらいの時間で発症したか、症状の持続時間はどの程度か、をメモして病院に行くようにしましょう。

子供のアレルギーは特に心配になることが多々あるかと思いますが
正しい知識を身につけ、症状が起きても冷静に対処できるよう事前に知識を身につけておくと安心です。


以上、子どもの食物アレルギーについて学びました。

続いてのLesson6からは、「大人の食物アレルギー」について見ていきたいと思います。