Lesson1では、アレルギーの種類やアレルゲン、
それぞれのアレルギーでどのような症状が出るのかと言った基本的な部分を
簡単に学習しました。
Lesson2では、アレルギーがなぜ発症するのか、
その仕組みや細胞のシステムなど少し専門的な領域について触れて行きます。
アレルギーは「免疫の誤作動」による炎症

通常の免疫反応では、人体に有害な細菌・ウイルスなどの
異物に対して免疫が反応します。
異物に対する「抗体」を作り、異物を排除することで人体への安全を保っているのです。
しかし、免疫は時として「無害なはずの物質」に対しても誤作動を起こし、
過剰な攻撃を仕掛けてしまいます。
なぜこのような「誤作動」が怒ってしまうのでしょうか。
この問題を理解するためには、IgE細胞についての理解を深めることが必須です。
IgG細胞とIgE細胞

人の体の防衛システム「免疫」は、有害な物質に対して抗体を作成します。
作られる抗体は、病原体に対しては「免疫グロブリンG(IgG)」と言うタンパク質が作られ、
一方でアレルゲンが体内に入ってくると、個々のアレルゲンに対応した
免疫グロブリンE(IgE)と言う抗体が作られます。
この「IgE抗体」が「マスト細胞」と呼ばれるアレルギーの原因となる
細胞に反応してしまうことにより、アレルギーが発症するのです。
マスト細胞ってどんな細胞?

マスト細胞とは、炎症反応や生体防御反応に重要な役割を持つ「防御部隊」です。
多くは粘膜や気管支、皮膚などの直接外気に触れる場所に存在しており、
故にアレルギー反応のきっかけとなってしまいます。
多くの顆粒を含むため「肥満細胞」とも呼ばれるマスト細胞ですが、
このマスト細胞から顆粒が過剰に分泌されると、アレルギー反応が起こります。
マスト細胞とアレルギー反応

アレルギー反応は、マスト細胞と呼ばれる太った細胞から
化学物質が過剰に放出されることにより引き起こされます。
IgE抗体がマスト細胞の先端にある「IgE受容体」と結合すると、
マスト細胞が活性化されてヒスタミンやロイコトリエンなどの
「炎症反応を加速させる物質」が放出されるのです。
このようにして免疫の誤作動が起こり、
結果として無害なはずの花粉や卵白などのアレルゲンにアレルギー反応を
起こしてしまうことが知られています。
しかし、アレルギーの発症となる経路はこれだけではありません。
続いてのページでは、近年判明してきた「IgG/IgE細胞を介さないアレルギー反応」
について仕組みを解説します。