Lesson2-3 免疫力の低下がアレルギーの本質

衛生環境が非常に良好な現代社会が引き起こした「免疫力の弱体化」は、
日本人のアレルギー体質を加速させました。

実は「不潔な暮らし」ほど、アレルギーにかかりにくい事がわかっています。

この「不潔な暮らし」とアレルギーの本質については、Lesson4で詳しく解説します。

これまでにも何度か触れましたが、
免疫の選別能力が鈍っているとアレルギーを発症しやすくなります。

免疫力の約70%は「腸」に集中している

免疫力を発揮する細胞のほとんどは腸の粘膜に集中しています。

およそ100兆個、200種類もの腸内細菌がひしめき合う腸は、
免疫細胞とタッグを組む強力な器官なのです。

「腸内フローラ」と言う言葉がありますが、
これは腸内細菌がひしめき合う光景が色鮮やかで花畑のように美しい事に由来しています。

腸内フローラを整える3つの要素

この腸内フローラを意識する上で欠かせない3要素が「多種多様な細菌がいる事」
「細菌の数自体が多い事」「善玉菌が悪玉菌と比較して優勢に整っている事」
です。

細菌ごとに役割が異なるため、種類が豊富であるとより様々な栄養素の吸収が効率よく行えます。

また、「悪玉菌」は腸の壁に穴を開け、また腐った物質などを生成してしまうため、
善玉菌が悪玉菌よりも優勢であることが大切です。

そのような3つの要素がバランスよく実現できたとき、アレルギーを抑える重要な細胞である
ヘルパーT細胞の「Th1」「Th2」が共に大きく強化されることもわかっています。

ヘルパーT細胞はいわゆる「免疫の司令塔」であり、
腸内環境が良好に保たれるために強化が必須の細胞になっています。

とは言うものの、日常生活の中で私たちが免疫力を高め、
アレルギー体質を改善するには具体的にどうすればよいのでしょうか。

日常生活でできる免疫力の強化は?

まずは運動です。
適度な運動は気分転換になると同時に
「ナチュラル・キラー細胞」と呼ばれる体内のパトロール役の細胞を増加させます。

そのため、日常生活でなるべく時間を見つけて運動を習慣化することは大切と言えるでしょう。

そして「食生活の改善」も不可欠な要素です。

腸内細菌は乳製品や納豆など、「直接菌を送り込むもの」と、
「菌の餌になるもの」の組み合わせをバランスよく摂取することで活性化します。

「ペクチン」と「オリゴ糖」を摂取しよう!

善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維の中でも、
特に発酵性が高く効率が良いものが「ペクチン」と「オリゴ糖」です。

ペクチンを多く含む食材は、オクラや火を通した果物(ホットフルーツ)など。

オリゴ糖を多く含む食材は、玉ねぎやバナナなど。

日常生活の食事の中にこれらを取り入れてみると、毎日少しずつ腸内環境の改善ができます。

続いてのページでは、「免疫力と食事」と言うテーマで日常生活に取り入れるべきもの、
除外すべき食事は何なのかを確認しましょう。