アレルゲンとなる物質の中でも、
主食となる「小麦」アレルギーは世界でも深刻な事態をもたらしています。
日本は米食の文化ですが、海外では小麦食が基本という国も少なくはなく、
そのような国は小麦を中心とした食物アレルギーに悩まされています。
今回のページでは、世界のアレルギー事情についての理解を深めていきたいと思います。
アメリカのアレルギー事情

アメリカでは1,500万人が食物アレルギーを患っているとされています。
そのうち「小麦を原因とする食物アレルギー」が増加中です。
アメリカ全体の人口3億人を考えればその数は5%とそこまで多いわけではないのですが、
600万人が18歳以下であるとされており、子どもの食物アレルギー患者が増加しています。
結果として、アメリカでは「セリアック病」と呼ばれる
グルテンをアレルゲンとするアレルギー反応が年々増加しています。
「セリアック病」にかかると、腸の粘膜に炎症を起こし
消化不良などの症状を引き起こします。
インドのアレルギー事情

インドの免疫状態は非常に良好で、牛乳や小麦、りんごなどのアレルゲンとなる物質に対して、
ほとんどのインド人はアレルギー反応を示さないことがわかっています。
これは「アレルギー反応が陽性」であったとしても、
実際にアレルギー症状で苦しむ人が非常に少ないということを表しています。
インドでは日常的にガンジス川で洗濯や水浴びをする「菌の交換会」が行われているため、
結果として免疫力が強くならなければならず、アレルギー反応への耐性も付いているというのが一つの要因として考えられています。
日本から見ると考えられない習慣ですが、これがアレルギー発症を防いでいるのです。
ヨーロッパのアレルギー事情

ヨーロッパでも食物アレルギーは問題視されており、
子どものおよそ25%が食物アレルギーに悩まされています。
アメリカで流行っている「セリアック病」ですが、
小麦を主食とするヨーロッパでもこの病気は深刻な事態を引き起こしています。
割合で言えば、国民の3%がセリアック病を発症しているとまで言われています。
事態を重く見たEUは2014年12月より法律で、
「飲食店のメニューの中に含まれるアレルゲンを明記しなければならない」という内容が施行されています。
ヨーロッパでは「グルテンフリー」が流行

ヨーロッパでは、小麦がアレルギー反応の原因となるケースが多いことから、
「グルテンフリー」の商品が流行しています。
イタリアでは食料品店には必ずと言って良いほど「グルテンフリー」のコーナーが設けられており、
小麦アレルギーの患者に配慮がなされています。
フランスでも、アレルギー対策の食材として
「オーガニック食品」が陳列されるケースが非常に増えてきています。
これらのように、食物アレルギーに悩まされている国では
それ相応の対策や文化が根付いていると言っても過言ではありません。
続いては、日本の「現代の食生活」とアレルギーに関する関係性を見ていきたいと思います。