Lesson3を通して、「現代社会とアレルギー」と言うテーマで、
綺麗好きが招いた免疫力の低下という皮肉な現実を学んできました。
今回から始まるLesson4では、「食物アレルギー」に焦点を当てて、より詳細に知識を身につけていきましょう。
食物アレルギーはアレルギー反応の中でも特に強くアナフィラキシーを起こしやすいアレルギーとして知られています。
そんな食物アレルギーの「定義」とは一体何なのでしょうか。
食物アレルギーの定義って何?

日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会作成の
「食物アレルギー診療ガイドライン2016」によると、
食物アレルギーは「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して、
生体にとって不利益な症状が引き起こされる現象」とされています。
言い換えれば、「食物が体に入って症状が出る反応のうち、アレルギー反応が原因のもの」ということです。
Lesson1でも簡単に触れましたが、食物アレルギーの症状を再度分類してみましょう。
食物アレルギーの4分類「I型・II型」

I型:IgE抗体の関与によって引き起こされ、「即時型」と呼ばれています。
アナフィラキシーが最も起こりやすい型です。
アレルゲンが侵入することで多量に作り出されたIgE抗体が、
再びアレルゲンが体内に侵入することで反応してしまい起こるアレルギー反応です。
アレルギーの中でも最もポピュラーになっています。
II型:IgG/IgM抗体によって引き起こされ、溶血性の貧血や血小板の減少などが起こる型。
赤血球などを破壊する反応が起こるため、血小板減少症などの症状を引き起こします。
食物アレルギーの4分類「Ⅲ型・Ⅳ型」

Ⅲ型:免疫複合体や補体によって引き起こされ、血清病やSLEが誘発される。
免疫複合体は抗原と抗体によって構成され、
腎臓や肺などの特定の場所に付着してアレルギー反応を誘発します。
Ⅳ型:T細胞によって引き起こされ、ツベルクリン反応や接触性皮膚炎が起こる。
抗体がリンパ球に付着し、「リンフォカイン」という物質が放出されることで引き起こされます。
アレルギーの種類と「病型」はまた少し異なる

食物アレルギーでは主にI型の反応が起こりやすく、
ゆえにアナフィラキシーを起こしがちなため危険とされているのです。
この4分類は、「病型」の分類とはまた異なります。
病型では、アレルギー症状の発症する経路によって症状が分類されています。
続いてのページでは、そんな食物アレルギーの病型の分類について、
最もメジャーな「即時型」から、少しマイナーな「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」
などの症状についても見てきたいと思います。