食物アレルギーの病型は、主に4つに分類されます。
前回のページの「食物アレルギーの種類」と似ていますが、相違点は
具体的な症状の差やアレルギー反応が起こる経路の差などです。
型についてはLesson1でも少し触れましたが、より詳細に病床分類や特徴を捉えて行きましょう。
「即時型」「乳児アトピー性皮膚炎」

・即時型:一番よく見られる一般的なアレルギーで、反応の種類や強弱も幅が広い。
小児は卵や小麦、牛乳が原因となり、成人はこれらに加えて甲殻類や果物が原因となることが多い。
・乳児アトピー性皮膚炎:乳児の湿疹が悪化する症状。卵や小麦、牛乳が原因。
季節によって症状の強弱が変動し、6月から9月にかけての夏期に軽くなり、
一方で11月から3月ごろの冬期には悪化する特性がある。
「新生児・乳児消化管アレルギー」「特殊型」

・新生児・乳児消化管アレルギー:生後数日以降に血便や下痢、嘔吐などが発現する症状。牛乳が原因。
およそ5%~8%程度の患者は重症化するリスクがあるため、発症時にはすぐ病院に行くことが大切。
・特殊型:口腔アレルギー症候群:口の中が痒くなったり、喉がイガイガする。
果物や野菜が原因となることが多い。
・特殊型:食物依存性運動誘発アナフィラキシー:原因となる食物を食べた直後に運動した時のみ
強いアナフィラキシーが出現。小麦や甲殻類が主な原因。
食事だけが食物アレルギーを引き起こすわけではない

これらのうち非即時型反応は、時間の経過とともに原因となる事象が複雑化するため診断が難しいですが、アレルギーを起こしやすい原因食物については即時型反応の場合とほぼ同様であると考えられています。
また、食物依存性運動誘発アナフィラキシーのように、食事だけでなく
「食事+運動」と言った組み合わせで発症する特殊型もあります。
病型についてはまだ研究が続けられており、アレルゲンとなる物質と行動との組み合わせは無限にあるため、これからも新たな発見がされていくはずですので、しっかりと注視しておきましょう。
「アレルゲンを体内に入れる」治療法も

これらのアレルギーを治す方法や薬は色々と研究がされていますが、
近年注目されている方法の中に
「アレルギー物質を体内に入れることで徐々に治療する」という
経口免疫療法という治療法があります。
続いてのページでは、そんな経口免疫療法についてしっかりと学んでいきましょう。